SRSの歴史
2000年:スポーン医師により考案された新しいSRS手術が、台湾の患者に対して行われました。
2002年:タイ王立外科医大学の年次総会で、論文「男性から女性への性別適合手術における新しい技術」が、100例の結果に発表されました。
2003年:タイ美容整形外科学会の年次総会で、「性別適合手術のシンポジウム」を講演しました。
2004年:第9回東洋美容整形外科学会の年次総会で、最新の結果を発表しました。
SRSの技術
スポーンテクニックの詳細
・本来の女性器と解剖学的に近い形へ形成
・本来の女性器の場所に立体的に形成する
・陰茎亀頭によるクリトリス形成
・ペニスの包皮と皮膚による小陰唇形成(小陰唇=ショウインシン)(※2及び3により十分な性感を得ることができます。)
・小陰唇の内側はピンク色となる(※個人差があります。)
・小陰唇は毛が生えず切開(縫合)の後がない
・膣口に毛が生えてこない(※万が一生える場合も脱毛が可能となり手術後の処置が望ましいとされています。)
・全膣壁に毛が生えていない
・手術直後は最低でも12.7cm(5インチ)は膣の深さを得ることが可能
技術:外観
・クリトリス
亀頭部分(包皮)を使用することにより、女性本来の見た目と判別がつかない程、完成度の高い出来栄えです。一部の亀頭部分を外側に出しておりますが、万が一この部分が壊死して外れてしまった場合でも、中に埋め込んでいる部分を出して再生させる事もできるので安心です。
・膣
しっかりとした深さを造り、膣内部には極力毛が生えてこないよう計算されています。ヒダも肉厚が程よい仕上がりです。
・色
女性器外側全体、患者様に見合った自然な肌色となり、小陰唇の内側はピンク色の美しいコントラストが見られます。
・女性器全体
西洋人に多く見られるすっきりとした外観です。術部は時間の経過と共に腫れが引き、約1年後には完璧な状態に仕上がります。
※外観は、ごく稀に術後から時間の経過を要すことなく、美しく完璧な状態となる方もいらっしゃいますが、9割以上の方は約1年程の時間をかけて傷口を完治させます。そして、造膣した膣のメンテナンスを患者様ご自身で行うことにより、女性化が完了いたします。また、外観がお気に召さない場合は、手術から1年後に全体の手直しを行うことが可能なクリニックでもあります。
技術:感覚
・クリトリス
亀頭部分の神経を残す事により、感覚が生きた状態を実現します。
・膣
本来、女性の膣自体には性感神経はないと考えられており、クリトリスからの感覚とされていますが、スポーンクリニックのSRSでは、性感帯としてクリトリスと膣入り口の上2ヶ所に亀頭部の神経をつなげており、膣内部も非常に感度が高いとされています。また、女性の“性欲”が増した時に“濡れる”状態も再現することができます。この“濡れる”状態の再現は、ホルモン治療により増えたエストロゲンを活かして膣に流れるよう施術し、さらに*カウパー線(尿道球)も保持いたします。これらの技術は、スポーン医師が人生を掛けて研究に研究を重ねた非常に素晴らしいポイントです。
(*カウパー線:前立腺下方の尿生殖隔膜内にあるエンドウ豆大の一対の副生殖腺。導管は尿道に開口し、性的興奮時に弱アルカリ性の粘液を分泌する。尿道球腺。)
SRS手術の流れ
一般
SRS手術前には、医師による事前の写真判定があります。全身麻酔によるSRS手術を安全に行うため、外科的処置が必要な場合は手術日を変更する場合がありますが、患者様のリスクを考慮し、スポーン医師による診察が行われた後にSRS手術が行われます。
手術に必要な時間や病院で過ごす回復までの滞在目安については、スケジュール表をご覧ください。
なお、全身麻酔は長時間のため、身体的に健康であるほか、SRS手術を受けるための条件を満たしている必要があります。
SRS手術にかかる時間は約5時間半です。スポーンクリニックによるSRS手術は、他クリニックでのSRSと比較して、約2倍(3~4ヶ月)の回復期間を必要とします。そのため、全ての患者様にはクリニックスタッフの適切なケアによる回復期間を過ごしていただき、少なくともタイに30日は滞在する必要があります。
必要条件
スポーンクリニックでは世界トランスジェンダー健康専門家協会(WPATH)のガイドラインに従いSRS手術を行います。また、スポーンクリニックでは常にタイの医療基準を遵守しているため、患者様には以下の必要条件を満たしていることを証明していただく必要があります。
・過去1年以上にわたり新しい性での日常生活を送っていること
・性同一性障害の診断を受けている
・12ヶ月以上のホルモン治療の経歴がある
・HIV陰性である
・現在の生殖器に違和感を持っている
【20歳~55歳の場合】
・精神疾患がないこと
・1年以上のホルモン投与治療を継続していること
・1年以上のフルタイム生活(女性)での実績があること
・医師による推薦状(必須)
・血液検査、胸部レントゲン、心電図の検査結果の提出
※未成年の場合は、親権者の同意書が必要です。
※18歳未満の患者様に対しての手術は行っておりません。
【ホルモン治療について】
・SRSを受けられる方は手術前に継続的なホルモン治療を中止してください。
・錠剤は術前2週間、注射の場合は4週間前から中止してください。
・ホルモン投与を停止することで血栓のリスクを減らすことができます。
【喫煙について】
手術を受けられる方は、術前・術後関係なく禁煙をしていただきます。現在、喫煙者で手術をご予定の方は、一刻も早く禁煙されるようお努めください。
喫煙が原因で、現地のドクターの判断により手術が中止される可能性もございます。また、喫煙は出血が止まりにくくなり、傷口の回復も遅らせ、喫煙の影響により血管が細くなっている方は手術ができない場合もございます。
【その他】
飲酒・アスピリン・イブプロフェン・ビタミンE等の摂取及び、服用は最低2週間前から止めてください。
【完成度を高める理想的な条件】
・包茎除去手術(割礼=カツレイ)を受けていないこと
・両側精巣摘出術(睾丸摘出)を受けていないこと
・性器の電気脱毛を受けていないこと
・長期的なホルモン投与(数年以上)を受けていないこと
・肥満でなく健康体であること
・SRSの前にFFSまたは音声手術を希望する場合
少なくともSRSの6ヶ月前までに手術が行われていることを確認してください。
豊胸や全身麻酔下で3時間以上かからないその他の手術の場合は、少なくとも3ヶ月は余裕を持って行ってください。
・レーザー脱毛及び電気針式脱毛について
手術部位周辺では、最後のセッションを少なくともSRSの6ヶ月前に完了していることをお勧めします。
肌の弾力性はSRSの結果に直接影響し、手術部位の周りの皮膚が完全に治癒していることを確認するために必要となります。
・上記条件が整っている場合、最高22.6cm(8.5インチ)の膣の深さを得ることが可能です。
※最低保証12.7cm(5インチ)
※両側精巣摘出術(睾丸摘出)を受けている場合でも手術は受ける事が出来ます。一度お問い合わせください。
SRS手術前後のケア
手術前
・チョンブリの宿泊施設の予約(通常はラッタナチョルホテル)
・クリニックスタッフによるバンコク空港でのミーティングおよびクリニックの送迎バスでチョンブリへの移動
・病院往復時の送迎
・手術前のスポーン医師との診察(臨床評価・ご相談内容等)
・必要に応じて追加で行われる心理学的および精神医学的検査
・全ての医療術前検査(血圧、BUN、CBC、胸部X線、心電計(ECG)、血液(HIV))
・顔面女性化手術のための頭蓋顔面X線評価
・全ての手術費と病院費
手術後
・手術後の回復のため4~7泊(手術後タイには28日間滞在推奨)
・手術後の初日の夜のため看護師滞在
・昼夜を問わず交代制で専属の看護師
・入院中の食事はバラエティに富んだメニューがあり、リクエストに応じて特別な食事のニーズに対応します。
・全ての市内通話(例:クリニック)
・全ての医薬品と処方箋
・病院での回復中クリニックスタッフによる追加の毎日訪問
・病院からホテル宿泊施設までの送迎
退院後
・復路の確認
・出発時のバンコク空港への交通手段
SRS手術後のサポート
施設の充実と観光
SRS手術後はしっかりと回復していただくため、患者様には長期滞在をしていただきますが、スポーンクリニックでは滞在中も満足していただくために、可能な限り充実した施設を提供しております。滞在中は以下の内容を提供します。
・クリニックの施設は全て無料でご使用いただけます。滞在中は、家のようにリラックスして、充実した時間をお過ごしください。
・クリニックのスタッフが同行する、クリニックのコーチ寺院(ワット)など近くの観光については、事前にご予約いただけます。
・クリニックから離れた場所に位置している施設や観光、ショッピングにつきましては、ご相談に応じての対応となります。
技術の保証
スポーン医師独自のスポーンテクニックは、高い技術により自然な仕上がりにするため、丁寧な診察を行っています。SRS手術を安全かつスムーズに成功させるため、患者様には下記の保証をいたします。
※スポーン医師が以下の規定に従って、SRS手術を保証いたします。
・タイを出発するまでに必要な、全ての医薬品・医薬品・処方箋・専用の3ピース拡張(ステント)キットを提供しています。
・クリニックの看護助手によるホテルへの毎日病院訪問ケア
・クリニックのスポーン医師によるフォローアップ検査
・ホテル、クリニック、病院間の全ての送迎(必要に応じて)
・行われたSRS手術の診断書
・手術中および手術後に撮影された写真
・必要に応じてビザ延長の取得を支援
・最初の手術から1年以内の修正(再手術)は受け付けておりません。また、術後9ヶ月以上経過するまでは、美容整形手術も受け付けておりません。
・保証はスポーン医師またはスポーンチームの外科医が実施する再手術にのみ適用されます。
・スポーン医師以外の外科医が許可なしに再手術を行った場合は保証は自動的に無効となります。
・再手術の手続きは患者様の要求に応じて行われます。再手術を受けるようクリニックから推奨することはありません。
・再手術はスポーン医師により、外科的および医学的に安全であると判断された場合にのみ行われます。神経損傷などの末梢損傷を引き起こす可能性がある場合、またはスポーン医師が安全でないと判断した場合は留保とします。
・再手術は誠意を持って行いますが、患者様のご希望に沿えない場合もあります。
・再手術は直接スポーン医師による診断ができる場合にのみ決定されます。診断により、外科的に実現可能なものか、安全または適切なものかを判断し、最終診断で行わない可能性もありますので予めご了承ください。
・手術やケアのために必要な薬などは、クリニックから無料で提供されます。
・再手術の際は全ての旅行費用および宿泊施設の費用は患者様のご負担となります。
・スポーン医師による手術が不可能な状況が永続する場合、生涯保証は自動的に失効します。
※無料修正は、診断により可能な場合にのみ提供されます。また、無料修正のための予約枠に手術が行われますが、常に初回のSRS手術の予約が優先となります。
術後サポート
全ての患者様は、帰国後もメールでの連絡により一部のサポートが提供されます。
SRS手術後1年目
全ての患者様は、ご要望に応じてメールでの術後サポートを受けることができます。対象期間は、最初の手術から最大1年間、再手術から6ヶ月間です。このサポートは、スポーン医師独自の技術(スポーンテクニック)の経過観察の1つとしており、患者様がしっかりと回復できることを目的とした、より詳細な情報やアドバイスを提供いたします。
患者様からの書面による症状についての説明を元に行う診断は、写真が添付されている場合でも判断できかねる場合があります。例として、患者様の書面による説明以外では、痛みを測定することや痛みの場所を判断できかねるため、原因を特定するために必要な情報が少ない場合があります。診断につきましては患者様の地元の主治医により、確認および治療が必要となる場合もあります。
スポーン医師による診察ができない場合、報告された症状に対処するための薬を処方することはできません。
提供できるサポートとしては、患者様の問題に対する「アドバイスとご案内」のみとなりますが、長年の経験と実績から、最も可能性の高い原因を追及し、「最善のアドバイス」を提供いたします。
症状の治療自体は、スポーン医師によるメールのアドバイスを基に、地元の医師が症状を確認し、適切な治療を受けていただくことが最善です。
SRS手術後1年以上
SRS手術後1年または再手術後6ヶ月以上経過にて、SRS手術から治癒したものと判断いたします。その後は医師または専門医にご相談ください。なお、拡張療法などスポーンテクニック独自の術後に必要なアドバイスやサポートは書面により常に提供し続けています。